在日中国人は2000年以降増加の一途を辿っています。2011年6月現在の日本国内の外国人登録者数は209万3,938人ですが、内32.2%(67万4,772人)と、大部分を中国人が占めています。こうした状況の中、中国の方を雇っているお店や会社も多いかと思います。

ファーストフード店やファミリーレストラン、居酒屋等の外食産業、コンビニエンスストアやスーパーでアルバイトをする留学生も多いですが、留学生がアルバイトをする場合、資格外活動許可申請手続きが必要となります。この手続きを行わずに留学生がアルバイトをすると、不法就労となってしまいます。

資格外活動許可申請を経てアルバイトすることができる時間は、1週間28時間以内とされており(夏休みなどの長期休業期間中は1日8時間以内)、また業種についても風俗・風俗関係業では働くことができません。

ほとんどの学生は、この規定内で働き、学業とアルバイトを両立していますが、留学生によっては、学生の本分であり、留学の在留資格の目的である学業がおろそかになり、資格外活動許可により可能な、原則1週間28時間の労働時間を大きく上回って働いていることもあります。

一日の殆どの時間をアルバイトに費やしている学生の場合、本来の日本での滞在目的である留学生活はまともに送れるはずもなく、学校に出てきても居眠りをしていたり、酷い場合は学校を休み家で休んでいたり、アルバイトをして働いていたりします。

ある和風ファーストフードのチェーンストアでアルバイトをしている中国人の専門学校生は、毎日12時間働いていますが、彼は夜働き過ぎているため、昼間はすっかり疲れてしまい、学校へほとんど通えず、出席日数が足りないため、進級できませんでした。留年はできないとのことで、結局、彼は学校を退学せざるを得なくなってしまい、留学の在留資格の更新ができずに困ってしまいました。こういったケースは留学生の男女問わず度々ありますが、その他にもコンビニエンスストアでアルバイトをしながら大学を卒業したある中国人留学生は、在学中アルバイトばかりしていたため、就職活動を全くせず、卒業してからも就職先が決まらず、大学院や他の学校へ進学をする金銭的余裕もなかったため、在留資格の変更も更新ができませんでした。結局、彼は在留資格の期限が切れてしまったにもかかわらず、帰国もしなかったため、不法滞在(オーバーステイ)の状態となってしまいました。

アルバイトでは正式な就労の在留資格を取得することができませんので、結果として彼らは在留資格の更新や変更において非常に困難な状況に陥ってしまいました。

また、日本人や永住者の配偶者は原則として入管法(出入国管理及び難民認定法)による時間の制限もなく、どのような仕事にも就くことができますが、会社の知らないうちに彼ら彼女らが離婚してしまっている場合があります。そのまま在留資格の変更をしないでいると、入国管理局による実態調査が行われ、日本人・永住者の配偶者等の在留資格を取り消されてしまうことがあります。そうなる前に、離婚した外国人は所持する在留資格を適正なものに変更する必要がありますが、外国人本人も雇用している会社も、そのことに気が付いていないことがあります。

ある中国人の女性は、日本人の夫と離婚した後、在留資格の期限が、かなり残っていたので、ある製造業の会社に就職して働いておりましたが、入国管理局による実態調査の結果、在留資格を取り消されてしまい、出国準備の短期滞在在留資格に変更となってしまいました。しかし彼女は出国期限が来ても帰国せず、雇用する会社も彼女がいないと業務に支障がでるとのことで、彼女を日本に引きとめていたため、彼女は不法滞在(オーバーステイ)の状態で日本に居続けることとなってしまいました。

昨今、形式のみで実態が伴わない偽装就職や偽装結婚が増加傾向にあり、入国管理局による実態調査も益々厳しくなっております。資格外活動許可を取らずにアルバイトをすることはもとより、退学や離婚などにより、現在持っている在留資格が実態のない状態のままですと、不法就労や不法滞在となり、外国人が退去強制の対象となる他、雇用している会社についても刑罰の対象となり、罪を問われてしまいます。また、2012年に入管法(出入国管理及び難民認定法)の大改正が行われますが、新入管法の施行によって、雇用者に対する刑罰も、より厳しくなります。現在中国人を始めとして外国人を雇用している企業や、これから雇用しようとする企業は、注意が必要です。