ブラック企業・・・最近マスコミ報道で取り上げられる機会が増えていましたが、ついに厚生労働省が初の実態調査に乗り出すことになりました。

  今回の調査では、離職率が高かったり、長時間労働で労働基準法違反の疑いがあったりする全国の約4千社が対象となる見込みで、9月の1ヶ月間で集中的に実施するようです。

  調査では企業に対し、長時間労働や賃金不払いの残業などの法令違反がないよう指導し、再発防止の徹底を図ります。過労による労災申請があった企業は、是正確認後も監督指導を継続するということです。

  重大で悪質な違反が確認され、改善がみられない企業は、調査にあたった労働基準監督署が送検するとともに、企業名の公表も行われます。


そもそもブラック企業とはどんな企業?

  さて、「そもそもブラック企業とはどんな企業?」ということですが、由来は諸説あるようで、求人広告業界の人達が「入社を勧められない企業」や「早期の転職が推奨されるような体質の企業」のことを指して呼ぶようになったと言われています。

  私も社労士歴が6年になりますので、多くの企業を見させていただく中で、時にはあまりに労務管理がずさんで摘発もやむなしといったお客様もありました。

  ですが、今でもサービス残業が当たり前といった職場風土が根強く残る我が国では、ブラック企業と呼ばれるほどでなくとも、企業の労務管理の実態には多かれ少なかれ労務リスクがつきものです。


「訴えられるまでは、このままで良い」では手遅れに

  これまでは労使協調でそのような慣習が許されてきたのでしょうが、そのような職場風土、あるいは柔軟性のない労働基準法制の是非論はともかく(筆者はこの点についてもう少し企業規模・業態によって柔軟であるべきとも考えます)、経営上重要なのは、労務管理に気を配っておかないと重大なリスクを負ってしまうということです。

  経営者の判断としてありがちですが、「訴えられるまでは、このままでよい」という考えでは、これからの時代、手遅れになる可能性が高いと言えます。

  労務リスク対策の実行は、確かに一時的にコストがかかるケースもありますが、社員に訴えられたり労基署に入られる前であれば、コストを最小限に抑えながら、労務リスクを低減させる手段を取ることができます

  しかしながら、いったん問題が表面化してしまってからでは、その解決自体に多大なコストを要するばかりでなく、その後も労基署の指導監督下で労働者有利の労務管理体制を取ることが求められ、コストは必要以上に膨らみます。

  まさに、「いつやるの?」「今でしょ」という言葉がピッタリ当てはまります。

  まずは、自社の労務管理体制について労務監査を行ってリスクを洗い出し、明確になったリスクに対する具体策を実行に移すべきです。