【事例】
あなたは、どの商品も5000円で買えるファッション通販サイトを運営する事業を経営しています。サイト上では、洋服を購入してもらったユーザーに、15万円分の海外旅行券の懸賞チャンスを与えて売上UPを狙っていました。
 
ところがある日、ユーザーから「いくら買っても旅行券が全然当たらない。そんな懸賞でお客を騙すなんて詐欺だ。今まで使ったお金を返してほしい。」と裁判を起こされてしまいました。

あなたはユーザーが使ったお金を返したくないと考えています。

問題点

 通販の購入者に懸賞をさせることは法的に問題があるのでしょうか。法的に問題があるとすれば、それはユーザーとの契約に影響を及ぼすのでしょうか。

回答

 インターネットでユーザーに懸賞与えることには、「オープン懸賞」と「クローズド懸賞」の2種類があるとされています。「オープン懸賞」というのは、無条件で応募できる懸賞のことで、アンケートに応じたり、クイズに正解したりすれば応募できる懸賞もこれに含まれます。

 これに対して、「クローズド懸賞」というのは、商品を購入した人だけが応募できる懸賞のことです。このクローズド懸賞は、景品表示法という法律で規制されています。そこでは、5000円以上の商品の取引の場合は、懸賞の限度額が10万円までと定められています。

 あなたのサイトでは、5000円の商品に対して景品が15万円分の旅行券になっていますので、この法律に違反することになってしまいます

 ただし、法律的には、景品表示法での規制に違反したとしても、あなたが必ずユーザーにお金を返さなければならないことにはなりません。まず、あなたとユーザーは、洋服の売買契約を結んでいます。そのため、その契約が無効にならない限り、お金を返す必要はないことになります。

 そこで、あなたが訴えられた裁判では、
その懸賞がユーザーをあおる程度はどの程度か?

実際にその懸賞のためにどの程度のユーザーがいくらぐらい買物をしているのか?

 といった状況をもとに、契約を無効にするほどの違法があるかどうか、という判断がなされると考えられます。
  
 あなたの認識も重要な要素です。あなたが、懸賞は違法だと知りながら販売していれば、それはあなたにとって不利になる事情となるでしょう。

 あくまでも景品表示法という法律では違法なサービスですし、あなたがお金を返す必要はないと断言することはできません。

 例えば、懸賞が、懸賞を出した当初は10万円以下だったのに、飛行機代等の急な高騰なによりたまたま10万円を超えてしまったというような場合などは、お金を返す必要がない可能性もあるでしょう。