ここしばらくコンプライアンス違反が世間をにぎわせています。食品偽装、特売の不当表示等々、年末商戦をひかえたこの時期に色々問題が噴出しています。

 流通業に在籍したことがあるという経験からいうと、基本的に流通、サービス業はコンプライアンスを軽視する傾向があるように思います。顧客のニーズを満たす(要するに売上アップ)ことを第一(のみ)と考え、それ以外の事柄に対してはプライオリティが極端に低いという印象を持っています。故にこのような事件が起こって当たり前と感じます。

以前から多いコンプライアンス違反

 今回は、食品の偽装が大きくクローズアップされていますが、実はこれ以外にも以前からコンプライアンス違反は起こっています。

 例えば今回ご紹介する「米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律」、通称「米トレーサビリティ法」違反などがこれにあたります。

 この法律は平成22年10月に施行された法律で、米や飯、もち、団子、みりんといった米製品に対して表示や出入荷の記録を義務付けるものです。その特徴は、加工品にも小売、飲食店にも適用されることです。最近、コンビニ等の弁当やおにぎりなどには記載があるのはそのためです。

 この法律、実は意外と知名度が低く、以前学会発表のために昨年6月に簡単な調査(対象はコンビニ、スーパー、大衆系飲食店)を実施したところ、一部の大手コンビニやデパート系スーパー、一部の回転寿司に表示がありましたが、他は表示が無かった(違反状態)という結果が出ました

 飲食店の多くに表示が見当たらなかっただけでなく、一部の大手コンビニも表示が無かったのは衝撃的な結果でした。コンビニについては、今は表示されているようですが、飲食店、特に低料金の形態の飲食店は未だに表示がありません。その中には上場企業もあるのですが、法の知名度ゆえか、業界特性か分かりませんが、未だに是正されてはいません。

 今回、このような残念な事態が起こっていますが、これはコンプライアンスを見直すきっかけにできるはずです。偽装のような積極的なコンプライアンス違反だけでなく、米トレーサビリティ法違反のような消極的な違反も撲滅していくことが重要です。今一度社内を見直し、コンプライアンスを確立することが信用の回復につながります。