よくある相談に、「今まで付き合いのなかった会社から発注を受けて資材を提供したが代金を支払ってもらえず催促していたら、弁護士から債務整理するといった通知が来て、終いには破産された。」といった相談があります。

 相手方に破産された場合、代金はほとんど回収できません。いくら取引先を増やし、仕事を多く獲得して売り上げを上げたとしても、代金を回収できなければ結局損失になってしまいます。営業して仕事を多く獲得することも大事なわけですが、取引先の見極めも同じくらい大事なわけです。

 そこで、これまで取引実績のなかった相手と取引する場合に最低限やった方がいいと思うことがいくつかあります。


法務局で「会社の履歴事項全部証明書」を入手

 まず、相手方が会社の場合、必ず法務局に行って会社の履歴事項全部証明書を入手して検討しましょう。履歴事項証明書には、「本店所在地」・「会社設立年月日」・「目的」・「役員に関する事項」等が記載されています。「本店所在地」がわかれば、本店所在地の土地・建物の登記簿謄本を入手しましょう。これで、取引先の持ちビルなのか、ただテナントとして借りているにすぎないのかがわかります。

 取引先の持ちビルの場合には、仮登記や抵当権が付いていないかどうかについても確認しましょう。取引先銀行がわかる場合もあります。テナントとして借りているにすぎない場合には、現地に出向いて行って実体があるかどうか確認しましょう。

 「会社設立年月日」からは、いつ設立されたかがわかりますが、設立日がかなり前で現在の実態は自転車操業・火の車という場合もありますので、これだけで大丈夫だという判断はしないようにしましょう。

 「役員に関する事項」からは、代表取締役の氏名・住所、取締役・監査役の氏名といつ就任して登記されたのかがわかります。代表取締役の住所が記載されていますので、代表取締役の住居の土地・建物の登記簿謄本を入手することによって、代表取締役の持ち家なのか借りているにすぎないのかもわかります。また、役員が同じ時期に全員交替しているような場合には、会社の売買があったのかもしれません。


帝国データバンク、HPから企業情報を入手

 次に、帝国データバンクから企業情報を入手してみましょう。多少費用はかかりますが、多額の損失を出さないようにするためです。多額の取引の場合には実践しましょう。

 あとは、相手方が公開しているホームページの内容を確認したり、紹介者がいる場合には紹介者に確認してみてもいいでしょう。以上が最低限です。これだけでは大丈夫とは言えません。ただ、この位の調査であれば相手方に気付かれることなく行うことができます。

 その上で、相手方からも信用に関する情報を引き出して確認し、信用できないような場合には取り引きしないか、少額の取引から始めるのがいいのではと思います。大きな取引の場合、リスク覚悟で取引される方もいるでしょうが、最低限の調査はしましょう。