平成26年4月25日、著作権法の一部改正が議会で承認された。同法は平成27年1月1日から施行される予定であるとされている。

参議院 第一八六回 閣第七三号 著作権法の一部を改正する法律案
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/186/pdf/t031860731860.pdf

 本改正は、電子出版物にも出版権が設定できるようになったことが主な変更点である。これにより電子出版物も海賊版を取り締まることが容易になるとされている。わが国の著作権ビジネスに係る業界で最も権利が弱いとされる出版業界にもこのような権利が設定されたのは、健全なビジネスに貢献するものと思われる。

 しかし一方、このようなものはこれまでの法律でも契約で対応できたにもかかわらず法律に依存してしまったという問題は残ることになるだろう。これは政策研究大学院大学の岡本教授が以前から指摘していることだが、著作権者としっかりとした契約を交わしておけば、そもそも電子出版物であるなしにかかわらず海賊版対策は可能だっただろう。

 電子出版物の出版権の問題が本改正により解決したとしても、また別の問題が噴出することは想像に難くない。今後も契約の重要性を認識し、ビジネスすべきであろう。